電気通信事業法
電気通信事業法
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。
二 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。
三 電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。
四 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の十第一項 に規定する受託放送役務、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律 (昭和二十六年法律第百三十五号)第二条 に規定する有線ラジオ放送、有線放送電話に関する法律 (昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第一項 に規定する有線放送電話役務、有線テレビジョン放送法 (昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項 に規定する有線テレビジョン放送及び同法第九条 の規定による有線テレビジョン放送施設の使用の承諾に係る事業を除く。)をいう。
五 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条の登録を受けた者及び第十六条第一項の規定による届出をした者をいう。
六 電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。
(重要通信の確保)
第八条 電気通信事業者は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であつて総務省令で定めるものについても、同様とする。
2 前項の場合において、電気通信事業者は、必要があるときは、総務省令で定める基準に従い、電気通信業務の一部を停止することができる。
3 電気通信事業者は、第一項に規定する通信(以下「重要通信」という。)の円滑な実施を他の電気通信事業者と相互に連携を図りつつ確保するため、他の電気通信事業者と電気通信設備を相互に接続する場合には、総務省令で定めるところにより、重要通信の優先的な取扱いについて取り決めることその他の必要な措置を講じなければならない。
(電気通信事業の登録)
第九条 電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。ただし、その者の設置する電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備をいう。以下同じ。)の規模及び当該電気通信回線設備を設置する区域の範囲が総務省令で定める基準を超えない場合は、この限りでない。
(業務の停止等の報告)
第二十八条 電気通信事業者は、第八条第二項の規定により電気通信業務の一部を停止したとき、又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生じたときは、その旨をその理由又は原因とともに、遅滞なく、総務大臣に報告しなければならない。
(業務の改善命令)
第二十九条 総務大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
一 電気通信事業者の業務の方法に関し通信の秘密の確保に支障があるとき。
二 電気通信事業者が特定の者に対し不当な差別的取扱いを行つているとき。
三 電気通信事業者が重要通信に関する事項について適切に配慮していないとき。
四 電気通信事業者が提供する電気通信役務(基礎的電気通信役務又は指定電気通信役務(保障契約約款に定める料金その他の提供条件により提供されるものに限る。)を除く。次号から第七号までにおいて同じ。)に関する料金についてその額の算出方法が適正かつ明確でないため、利用者の利益を阻害しているとき。
五 電気通信事業者が提供する電気通信役務に関する料金その他の提供条件が他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり、その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、利用者の利益を阻害しているとき。
六 電気通信事業者が提供する電気通信役務に関する提供条件(料金を除く。次号において同じ。)において、電気通信事業者及びその利用者の責任に関する事項並びに電気通信設備の設置の工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確でないため、利用者の利益を阻害しているとき。
七 電気通信事業者が提供する電気通信役務に関する提供条件が電気通信回線設備の使用の態様を不当に制限するものであるとき。
八 事故により電気通信役務の提供に支障が生じている場合に電気通信事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき。
九 前各号に掲げるもののほか、電気通信事業者の業務の方法が適切でないため、利用者の利益を阻害しているとき。
十 電気通信事業者が国際電気通信事業に関する条約その他の国際約束により課された義務を誠実に履行していないため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあるとき。
十一 電気通信事業者が電気通信設備の接続、共用又は卸電気通信役務(電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信役務をいう。以下同じ。)の提供について特定の電気通信事業者に対し不当な差別的取扱いを行いその他これらの業務に関し不当な運営を行つていることにより他の電気通信事業者の業務の適正な実施に支障が生じているため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあるとき。
十二 電気通信回線設備を設置することなく電気通信役務を提供する電気通信事業の経営によりこれと電気通信役務に係る需要を共通とする電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する電気通信事業の当該需要に係る電気通信回線設備の保持が経営上困難となるため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあるとき。
2 総務大臣は、電気通信事業者等が第二十六条の規定に違反したときは当該電気通信事業者等に対し、又は電気通信事業者が第二十七条の規定に違反したときは当該電気通信事業者に対し、利用者の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
(電気通信回線設備との接続)
第三十二条 電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその設置する電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない。
一 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。
二 当該接続が当該電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。
(端末設備の接続の技術基準)
第五十二条 電気通信事業者は、利用者から端末設備(電気通信回線設備の一端に接続される電気通信設備であつて、一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内であるものをいう。以下同じ。)をその電気通信回線設備(その損壊又は故障等による利用者の利益に及ぼす影響が軽微なものとして総務省令で定めるものを除く。第六十九条及び第七十条において同じ。)に接続すべき旨の請求を受けたときは、その接続が総務省令で定める技術基準(当該電気通信事業者又は当該電気通信事業者とその電気通信設備を接続する他の電気通信事業者であつて総務省令で定めるものが総務大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。次項及び第六十九条において同じ。)に適合しない場合その他総務省令で定める場合を除き、その請求を拒むことができない。
2 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。
一 電気通信回線設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。
二 電気通信回線設備を利用する他の利用者に迷惑を及ぼさないようにすること。
三 電気通信事業者の設置する電気通信回線設備と利用者の接続する端末設備との責任の分界が明確であるようにすること。
(端末設備の接続の検査)
第六十九条 利用者は、第五十三条第二項(第百四条第四項において準用する場合を含む。)、第五十八条(第百四条第七項において準用する場合を含む。)又は第六十五条の規定により表示が付されている端末機器(第五十五条第一項(第六十一条、前条並びに第百四条第四項及び第七項において準用する場合を含む。)の規定により表示が付されていないものとみなされたものを除く。)を接続する場合その他総務省令で定める場合を除き、電気通信事業者の電気通信回線設備に端末設備を接続したときは、当該電気通信事業者の検査を受け、その接続が第五十二条第一項の技術基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。これを変更したときも、同様とする。
2 電気通信回線設備を設置する電気通信事業者は、端末設備に異常がある場合その他電気通信役務の円滑な提供に支障がある場合において必要と認めるときは、利用者に対し、その端末設備の接続が第五十二条第一項の技術基準に適合するかどうかの検査を受けるべきことを求めることができる。この場合において、当該利用者は、正当な理由がある場合その他総務省令で定める場合を除き、その請求を拒んではならない。
3 前二項の検査に従事する者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(土地等の一時使用)
第百三十三条 認定電気通信事業者は、認定電気通信事業の実施に関し、次に掲げる目的のため他人の土地等を利用することが必要であつて、やむを得ないときは、その土地等の利用を著しく妨げない限度において、一時これを使用することができる。ただし、建物その他の工作物にあつては、線路を支持するために利用する場合に限る。
一 線路に関する工事の施行のため必要な資材及び車両の置場並びに土石の捨場の設置
二 天災、事変その他の非常事態が発生した場合その他特にやむを得ない事由がある場合における重要な通信を確保するための線路その他の電気通信設備の設置
三 測標の設置
2 認定電気通信事業者は、前項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。ただし、天災、事変その他の非常事態が発生した場合において十五日以内の期間一時使用するときは、この限りでない。
3 認定電気通信事業者は、第一項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、あらかじめ、土地等の占有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用開始の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
4 第一項の規定により一時使用しようとする土地等が居住の用に供されているときは、その居住者の承諾を得なければならない。
5 第一項の規定による一時使用の期間は、六月(同項第二号に規定する場合において仮線路又は測標を設置したときは、一年)を超えることができない。
6 第一項の規定による一時使用のため他人の土地等に立ち入る者は、第二項の許可を受けたことを証する書面(同項ただし書の場合にあつては、その身分を示す証明書)を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(植物の伐採)
第百三十六条 認定電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が線路に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、総務大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる。
2 認定電気通信事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植するときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
3 認定電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、線路を著しく損壊し、通信の確保に重大な支障を生ずると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、総務大臣の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない。