事業用電気通信設備規則
事業用電気通信設備規則
(定義)
第三条 この規則において使用する用語は、法において使用する用語の例による。
2 この規則の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。
一 「事業用電気通信回線設備」とは、法第四十一条第一項 に規定する電気通信設備のうち、電気通信回線設備をいう。
二 「音声伝送役務」とは、電気通信事業法施行規則 (昭和六十年郵政省令第二十五号)第二条第二項第一号 に規定する音声伝送役務をいう。
三 「専用役務」とは、電気通信事業法施行規則第二条第二項第三号 に規定する専用役務をいう。
四 「アナログ電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備及び法第四十一条第二項 に規定する電気通信設備のうち、端末設備又は自営電気通信設備(以下「端末設備等」という。)を接続する点においてアナログ信号を入出力するものであつて、主として音声の伝送交換を目的とする電気通信役務の提供の用に供するものをいう。
五 「総合デジタル通信用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、主として六四キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により、符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務の提供の用に供するものをいう。
六 「インターネットプロトコル電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、端末設備等をインターネットプロトコルを使用してパケット交換網に接続するものであつて、音声伝送役務の提供の用に供するものをいう。
七 「携帯電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、無線設備規則 (昭和二十五年電波監理委員会規則第十八号)第三条第一号 に規定する携帯無線通信による電気通信役務の提供の用に供するものをいう。
八 「直流回路」とは、電気通信回線設備に接続して電気通信事業者の交換設備の動作の開始及び終了の制御を行うための回路をいう。
九 「絶対レベル」とは、一の皮相電力の一ミリワットに対する比をデシベルで表したものをいう。
(予備機器等)
第四条 通信路の設定に直接係る交換設備の機器は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その損壊又は故障(以下「故障等」という。)の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。ただし、次の各号に掲げる機器については、この限りでない。
一 端末回線(端末設備等と交換設備との間の電気通信回線をいう。以下同じ。)を当該交換設備に接続するための機器
二 当該交換設備の故障等の発生時に、他の交換設備によりその疎通が確保できる交換設備の機器
2 伝送路設備には、予備の電気通信回線を設置しなければならない。ただし、次の各号に掲げるものについては、この限りでない。
一 端末回線その他専ら特定の一の者の通信を取り扱う区間に使用するもの
二 有線テレビジョン放送施設(有線テレビジョン放送法 (昭和四十七年法律第百十四号)第二条第二項 に規定する有線テレビジョン放送施設及びこれに接続される受信設備をいう。以下同じ。)の線路(有線電気通信法 (昭和二十八年法律第九十六号)第二条第二項 に規定する有線電気通信設備であつて、他の電気通信事業者により提供されるものを除く。以下同じ。)と同一の線路のうち端末設備等と専用設備(専用役務の提供の用に供する事業用電気通信回線設備をいう。以下同じ。)を収容する建築物(第十五条の建築物をいう。)との間において使用するもの
三 当該伝送路設備の故障等の発生時に、他の伝送路設備によりその疎通が確保できるもの
3 伝送路設備において当該伝送路設備に設けられた電気通信回線に共通に使用される機器は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。
4 交換設備相互間を接続する伝送路設備は、なるべく複数の経路により設置されなければならない。
(故障検出)
第五条 事業用電気通信回線設備は、電源停止、共通制御機器の動作停止その他電気通信役務の提供に直接係る機能に重大な支障を及ぼす故障等の発生時には、これを直ちに検出し、当該事業用電気通信回線設備を維持し、又は運用する者に通知する機能を備えなければならない。
(試験機器及び応急復旧機材の配備)
第七条 事業用電気通信回線設備の工事、維持又は運用を行う事業場には、当該事業用電気通信回線設備の点検及び検査に必要な試験機器の配備又はこれに準ずる措置がなされていなければならない。
2 事業用電気通信回線設備の工事、維持又は運用を行う事業場には、当該事業用電気通信回線設備の故障等が発生した場合における応急復旧工事、臨時の電気通信回線の設置、電力の供給その他の応急復旧措置を行うために必要な機材の配備又はこれに準ずる措置がなされていなければならない。
(異常ふくそう対策)
第八条 交換設備は、異常ふくそう(特定の交換設備に対し通信が集中することにより、交換設備の通信の疎通能力が継続して著しく低下する現象をいう。以下同じ。)が発生した場合に、これを検出し、かつ、通信の集中を規制する機能又はこれと同等の機能を有するものでなければならない。ただし、通信が同時に集中することがないようこれを制御することができる交換設備については、この限りでない。
(耐震対策)
第九条 事業用電気通信回線設備の据付けに当たつては、通常想定される規模の地震による転倒又は移動を防止するため、床への緊結その他の耐震措置が講じられなければならない。
2 事業用電気通信回線設備は、通常想定される規模の地震による構成部品の接触不良及び脱落を防止するため、構成部品の固定その他の耐震措置が講じられたものでなければならない。
3 その故障等により電気通信役務の提供に直接係る機能に重大な支障を及ぼすおそれのある事業用電気通信回線設備に関する前二項の耐震措置は、大規模な地震を考慮したものでなければならない。
(電源設備)
第十条 事業用電気通信回線設備の電源設備は、平均繁忙時(一日のうち年間を平均して電気通信設備の負荷が最大となる連続した一時間をいう。以下同じ。)に事業用電気通信回線設備の消費電流を安定的に供給できる容量があり、かつ、供給電圧又は供給電流を常に事業用電気通信回線設備の動作電圧又は動作電流の変動許容範囲内に維持できるものでなければならない。
2 事業用電気通信回線設備の電力の供給に直接係る電源設備の機器(自家用発電機及び蓄電池を除く。)は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。
(停電対策)
第十一条 事業用電気通信回線設備は、通常受けている電力の供給が停止した場合においてその取り扱う通信が停止することのないよう自家用発電機又は蓄電池の設置その他これに準じる措置(交換設備にあつては、自家用発電機及び蓄電池の設置その他これに準じる措置)が講じられていなければならない。
(誘導対策)
第十二条 線路設備は、強電流電線からの電磁誘導作用により事業用電気通信回線設備の機能に重大な支障を及ぼすおそれのある異常電圧又は異常電流が発生しないように設置しなければならない。
(防火対策等)
第十三条 事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する通信機械室は、自動火災報知設備及び消火設備が適切に設置されたものでなければならない。
2 事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置し、かつ、当該事業用電気通信回線設備を工事、維持又は運用する者が立ち入る通信機械室に代わるコンテナ等の構造物(以下「コンテナ等」という。)及びとう道は、自動火災報知設備の設置及び消火設備の設置その他これに準ずる措置が講じられたものでなければならない。
(屋外設備)
第十四条 屋外に設置する電線(その中継器を含む。)、空中線及びこれらの附属設備並びにこれらを支持し又は保蔵するための工作物(次条の建築物を除く。次項において「屋外設備」という。)は、通常想定される気象の変化、振動、衝撃、圧力その他その設置場所における外部環境の影響を容易に受けないものでなければならない。
2 屋外設備は、公衆が容易にそれに触れることができないように設置されなければならない。
(事業用電気通信回線設備を設置する建築物等)
第十五条 事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する建築物及びコンテナ等は、次の各号に適合するものでなければならない。ただし、第一号にあつては、やむを得ず同号に規定する被害を受けやすい環境に設置されたものであつて、防水壁又は防火壁の設置その他の必要な防護措置が講じられているものは、この限りでない。
一 風水害その他の自然災害及び火災の被害を容易に受けない環境に設置されたものであること。
二 当該事業用電気通信回線設備を安全に設置することができる堅固で耐久性に富むものであること。
三 当該事業用電気通信回線設備が安定に動作する温度および湿度を維持することができること。
四 当該事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する通信機械室に、公衆が容易に立ち入り、又は公衆が容易に事業用電気通信回線設備に触れることができないよう施錠その他必要な措置が講じられていること。
(有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備)
第十五条の二 有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 事業用電気通信回線設備と有線テレビジョン放送施設のうち第四条第二項第二号の線路以外の有線電気通信設備(以下この条において「有線テレビジョン放送設備」という。)との責任の分界を明確にするため、有線テレビジョン放送設備との間に分界点(以下この条において「分界点」という。)を有すること。
二 分界点において有線テレビジョン放送設備を切り離せること。
三 分界点において有線テレビジョン放送設備を切り離し又はこれに準ずる方法により当該事業用電気通信回線設備の正常性を確認できる措置が講じられていること。
四 利用者が端末設備等を接続する点と有線テレビジョン放送施設の受信者端子(有線テレビジョン放送法施行規則 (昭和四十七年郵政省令第四十号)第二条第五号 の受信者端子をいう。以下同じ。)との間の分離度は二五デシベル以上であること。ただし、これらが同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内にある場合は、この限りでない。
(通信内容の秘匿措置)
第十七条 事業用電気通信回線設備は、利用者が端末設備等を接続する点において、他の通信の内容が電気通信設備の通常の使用の状態で判読できないように必要な秘匿措置が講じられなければならない。
2 有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備は、電気通信事業者が、有線テレビジョン放送の受信設備を接続する点において、通信の内容が有線テレビジョン放送の受信設備の通常の使用の状態で判読できないように必要な秘匿措置が講じられなければならない。
(機能障害の防止)
第二十条 事業用電気通信回線設備は、接続設備の機能に障害を与えるおそれのある電気信号又は光信号を送出するものであつてはならない。
(漏えい対策)
第二十条の二 電気通信事業者は、総務大臣が別に告示するところに従い端末設備等と交換設備又は専用設備との間の電気通信回線に伝送される信号の漏えいに関し、あらかじめ基準を定め、その基準を維持するように努めなければならない。
2 前項の基準については、遅滞なく総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとする場合も同様とする。
(保安装置)
第二十一条 落雷又は強電流電線との混触により線路設備に発生した異常電圧及び異常電流によつて接続設備を損傷するおそれのある場合は、交流五〇〇ボルト以下で動作する避雷器及び七アンペア以下で動作するヒユーズ若しくは五〇〇ミリアンペア以下で動作する熱線輪からなる保安装置又はこれと同等の保安機能を有する装置が事業用電気通信回線設備と接続設備を接続する点又はその近傍に設置されていなければならない。
(電源供給)
第二十七条 事業用電気通信回線設備は、第三十一条に規定する呼出信号の送出時を除き、端末設備等を接続する点において次の各号に掲げる条件に適合する通信用電源を供給しなければならない。
一 端末設備等を切り離した時の線間電圧が四十二ボルト以上かつ五十三ボルト以下であること。
二 両線間を三〇〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一五ミリアンペア以上であること。
三 両線間を五〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一三〇ミリアンペア以下であること。
(分界点)
第二十三条 事業用電気通信回線設備は、他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界を明確にするため、他の電気通信事業者の電気通信設備との間に分界点(以下この条及び次条において「分界点」という。)を有しなければならない。
2 事業用電気通信回線設備は、分界点において他の電気通信事業者が接続する電気通信設備から切り離せるものでなければならない。
(機能確認)
第二十四条 事業用電気通信回線設備は、分界点において他の電気通信設備を切り離し又はこれに準ずる方法により当該事業用電気通信回線設備の正常性を確認できる措置が講じられていなければならない。
(監視信号受信条件)
第二十九条 事業用電気通信回線設備は、端末設備等を接続する点において当該端末設備等が送出する次の監視信号を受信し、かつ、認識できるものでなければならない。
一 端末設備等から発信を行うため、当該端末設備等の直流回路を閉じて三〇〇オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「発呼信号」という。)
二 端末設備等において当該端末設備等への着信に応答するため、当該端末設備等の直流回路を閉じて三〇〇オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「端末応答信号」という。)
三 発信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて一メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「切断信号」という。)
四 着信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて一メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「終話信号」という。)
(電源供給)
第二十七条 事業用電気通信回線設備は、第三十一条に規定する呼出信号の送出時を除き、端末設備等を接続する点において次の各号に掲げる条件に適合する通信用電源を供給しなければならない。
一 端末設備等を切り離した時の線間電圧が四十二ボルト以上かつ五十三ボルト以下であること。
二 両線間を三〇〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一五ミリアンペア以上であること。
三 両線間を五〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一三〇ミリアンペア以下であること。
(その他の信号送出条件)
第三十二条 事業用電気通信回線設備は、次に掲げる場合は可聴音(耳で聴くことが可能な特定周波数の音をいう。以下同じ。)又は音声によりその状態を発信側の端末設備等に対して通知しなければならない。
一 端末設備等が送出する発呼信号を受信した後、選択信号を受信することが可能となつた場合
二 接続の要求をされた着信側の端末設備等を呼出し中である場合
三 接続の要求をされた着信側の端末設備等が着信可能な状態でない場合又は接続の要求をされた着信側の端末設備等への接続が不可能な場合
(接続品質)
第三十五条 事業用電気通信回線設備の接続品質は、基礎トラヒツク(一日のうち、一年間を平均して呼量(一時間に発生した呼の保留時間の総和を一時間で除したものをいう。以下同じ。)が最大となる連続した一時間について一年間の呼量及び呼数の最大のものから順に三〇日分の呼量及び呼数を抜き取つてそれぞれ平均した呼量及び呼数又はその予測呼量及び予測呼数をいう。以下同じ。)について、次の各号に適合しなければならない。
一 事業用電気通信回線設備が発呼信号を受信した後、選択信号を受信可能となるまでの時間が三秒以上となる確率が〇・〇一以下であること。
二 事業用電気通信回線設備が選択信号を受信した後、着信側の端末設備等に着信するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一五以下であること。
三 本邦外の場所に対して発信を行う場合にあつては、事業用電気通信回線設備が選択信号を受信した後、国際中継回線(国際交換設備(本邦外の場所への発信又は本邦外からの着信を行う機能を有する交換設備をいう。以下同じ。)と本邦外の場所の交換設備相互間の電気通信回線をいう。以下同じ。)を捕捉するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一以下であること。
四 本邦外の場所からの着信を行う場合は、事業用電気通信回線設備が着信を受け付けた後、着信側の端末設備等に着信するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一一以下であること。
五 事業用電気通信回線設備が選択信号送出終了を検出した後、発信側の端末設備等に対して着信側の端末設備等を呼び出し中であること又は着信側の端末設備等が着信可能な状態でないことの通知までの時間が三〇秒以下であること。ただし、二以上の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備を介する通信を行う場合及び本邦外の場所との間の通信を行う場合は、この限りでない。