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純正LANカード CZ6BL2

2017-06-20 (火) 23:23:54 (2473d)

 X68000のLANボードとして、おそらく最も普及していないと思われる「純正」のLANボードです。

cz6bl1.jpg
cz6bl2.jpg

 LANコントローラにIntel P82586(20MHz)を用いています。また、CPUに80186(16MHz)と512KBのDRAMと64KBのSRAMを積んでいます。
 外に付けられた白い箱は電源です。この電源のスペックは、入力100V80VA、出力12V1A,5V3Aです。
 初代X68000のスペックがCPU:68000(10MHz)・メモリ1MBですから、単なるLANボードというよりは、もうひとつのコンピュータを乗せると考えたほうが適切かもしれません。値段も本体価格と似たようなもので、定価298,000円もしました。一体何台売れたのでしょうか?

 しかも使えるアプリケーションは限られていました。同梱の実行ファイル(.X)は、arp,ftp,route,tcpconf,telnetだけでした。arp,route,tcpconfは管理・設定用ですから、実際にはftpとtelnetしか無かったと言えます。相手から送られてくるpingにも反応しなかったと記憶しています(違うかも)。聞いた話では、OS9だともう少し良い環境だったらしいです。
 その後Neptune-Xなどが普及しますが、これらは計測技研のESP/Xを利用したものなので、現在あるX68kのTCP/IPのアプリケーションは、この純正カードでは使用できません。

 ちなみにこのボードは私のものではなくて、会社で借りてきた私物です。うちにも個人では買わないような変なものがありますが、そんな私ですら「普通はこんなもの買わない」と思います。

 FTPでのスループットも載せる予定でしたが、結果を紛失してしまいました。

イーサネット・チーパネット

 これはCZ-6BL2なので、イーサネット/チーパネット対応です。下位製品のCZ-6BL1はイーサネット専用です。

cz6bl3.jpg

 イーサネットは今の意味のイーサネットではなく、10Base5のこと指していました。チーパネットは10Base2のことです。
 10Base5をネットワークに接続するには、まず太い同軸ケーブルに物理的に穴を開けてトランシーバと呼ばれる機器を取り付け、そこから端末にケーブルを繋げるという作業が必要でした。私はこの方法を実際に使ったことはありません。SUNのマシンを使っていた頃は、10Base5にはマルチポートトランシーバという今でいうハブみたいなものが使われていました。これを使うと、DSUB15ピンのAUIケーブルで完結することができました。
 10Base2はBNCコネクタでケーブルや端末を接続します。端末を複数繋ぐためにケーブルを分岐させるときは、分岐コネクタを使います。分岐といっても、自由に分岐してケーブルを張り巡らせられるわけではなく、バス型に連なったケーブルの途中に端末をぶら下げていく形になります。

CentreCOM210T.JPG

 今だと、10Base2/5を10BaseTに変換してHUBに繋ぐ方法が簡単です。今回CZ-6BL2を試すときも、CentreCOM210Tを使って10BaseTに変換して繋ぎました。