各種計算式
絶対湿度 †
絶対湿度は、温度と相対湿度から計算します。
x = 0.62198 Pw / (Pa - Pw) * 相対湿度
x 絶対湿度 (kg/kg)
Pa 気圧 (kPa)
Pw 飽和水蒸気圧 (kPa)
参照:http://www.engineeringtoolbox.com/humidity-ratio-air-d_686.html
0.62198は、乾き空気の気体定数/水蒸気の気体定数です。
乾き空気の気体定数/水蒸気の気体定数
= 乾燥空気の分子量 / 水の分子量
= 18.01528 / 28.9645
Pw 飽和水蒸気圧 (kPa) †
飽和水蒸気圧の計算にはいろいろな近似式があります。
まずは、一番精度が良さそうな、IAPWS-IF97の式を挙げます。
SS[t_] := t - 0.23855557567849/(t - 0.65017534844798*10^3) SA[t_] := SS[t]^2 + 0.11670521452767*10^4 SS[t] - 0.72421316703206*10^6 SB[t_] := -0.17073846940092*10^2 SS[t]^2 + 0.12020824702470*10^5 SS[t] - 0.32325550322333*10^7 SC[t_] := 0.14915108613530*10^2 SS[t]^2 - 0.48232657361591*10^4 SS[t] + 0.40511340542057*10^6 SP[t_] := (2 SC[t] / (-SB[t] + (SB[t]^2 - 4 SA[t] SC[t])^0.5))^4
ここまで絶対温度、単位MPaなので、摂氏、kPaに変換します。
Pw[t_] := 1000 SP[t + 273.15]
この式は、0°Cから臨界温度(647.096K)まで使えます。
実際にここまで必要なことはほとんどありません。
Tetens(1930)の式
Pw = 0.611*10^(7.5 * t / (t + 237.3)) t:温度(°C)
誤差
Sonntag(1990)の式
3556.514498996239*E^( (-0.017967130224 + 0.00001673952*t)*t - 6096.9385/(273.15 + t))*(273.15 + t)^2.433502 t 温度(°C)
元は、
Log[p] = -6096.9385 T^-1 + 21.2409642 - 2.711193 * 10^-2 T + 1.673952 * 10^-5 T^2 + 2.433502 Log[T]
で、絶対温度なので、摂氏に直して、整理すると前式になります。単位もkPaにしています。
誤差(単位°C、kPa)
気温の範囲では、Sonntagの方がTetensよりも1桁精度が良いですが、
どちらでも実用的には問題ありません。
定圧比熱 †
Cpa 乾き空気の定圧比熱 (J/kg K)
Cpa = 1.005 kJ/kg K
-50°Cから40°Cくらいまでの値。
参照:http://www.engineeringtoolbox.com/air-properties-d_156.html
Cpw 水蒸気の定圧比熱 (J/kg K)
IAPWSにあったSIROTA(1963)のデータです。
[0,100°C]の範囲で4次関数に近似すると、下式になります。
Cpw = 1.8670833642082458 + 0.000839664736633317*t - 5.93380672870233*10^-6*t^2 + 2.3619537752043898*10^-7*t^3 - 6.283241147363545*10^-10*t^4 t 温度(°C)
IAPWS-IF97の定圧比熱の式
ntbl = { {0, -0.96937268393049*10^1}, {1, 0.10087275970006*10^2}, {-5, -0.56087911283020*10^-2}, {-4, 0.71452738081455*10^-1}, {-3, -0.40710498223928}, {-2, 0.14240819171444*10^1}, {-1, -0.43839511319450*10^1}, {2, -0.28408632460772}, {3, 0.21268463753307*10^-1}} gtbl = { {1, 0, -0.17731742473213*10^-2}, {1, 1, -0.17834862292358*10^-1}, {1, 2, -0.45996013696365*10^-1}, {1, 3, -0.57581259083432*10^-1}, {1, 6, -0.50325278727930*10^-1}, {2, 1, -0.33032641670203*10^-4}, {2, 2, -0.18948987516315*10^-3}, {2, 4, -0.39392777243355*10^-2}, {2, 7, -0.43797295650573*10^-1}, {2, 36, -0.26674547914087*10^-4}, {3, 0, 0.20481737692309*10^-7}, {3, 1, 0.43870667284435*10^-6}, {3, 3, -0.32277677238570*10^-4}, {3, 6, -0.15033924542148*10^-2}, {3, 35, -0.40668253562649*10^-1}, {4, 1, -0.78847309559367*10^-9}, {4, 2, 0.12790717852285*10^-7}, {4, 3, 0.48225372718507*10^-6}, {5, 7, 0.22922076337661*10^-5}, {6, 3, -0.16714766451061*10^-10}, {6, 16, -0.21171472321355*10^-2}, {6, 35, -0.23895741934104*10^2}, {7, 0, -0.59059564324270*10^-17}, {7, 11, -0.12621808899101*10^-5}, {7, 25, -0.38946842435739*10^-1}, {8, 8, 0.11256211360459*10^-10}, {8, 36, -0.82311340897998*10^1}, {9, 13, 0.19809712802088*10^-7}, {10, 4, 0.10406965210174*10^-18}, {10, 10, -0.10234747095929*10^-12}, {10, 14, -0.10018179379511*10^-8}, {16, 29, -0.80882908646985*10^-10}, {16, 50, 0.10693031879409}, {18, 57, -0.33662250574171}, {20, 20, 0.89185845355421*10^-24}, {20, 35, 0.30629316876232*10^-12}, {20, 48, -0.42002467698208*10^-5}, {21, 21, -0.59056029685639*10^-25}, {22, 53, 0.37826947613457*10^-5}, {23, 39, -0.12768608934681*10^-14}, {24, 26, 0.73087610595061*10^-28}, {24, 40, 0.55414715350778*10^-16}, {24, 58, -0.94369707241210*10^-6}} R = 0.461526 GP[p_] := p/1 GT[t_] := 540/t G0[p_, t_] := Sum[ntbl[[i, 2]] * ntbl[[i, 1]] (ntbl[[i, 1]] - 1) GT[t]^(ntbl[[i, 1]] - 2), {i, 1, 9}] G1[p_, t_] := Sum[gtbl[[i, 3]] GP[p]^ gtbl[[i, 1]] gtbl[[i, 2]] (gtbl[[i, 2]] - 1) (GT[t] - 0.5)^(gtbl[[i, 2]] - 2), {i, 1, 43}] Cp[p_, t_] := -R (GT[t]^2) (G0[p, t] + G1[p, t]
単位はMPa,絶対温度
エンタルピー †
定義は、
エンタルピー = 内部エネルギー + 圧力×体積
です。単位はJです。
1kgあたりのエンタルピーを比エンタルピー(J/kg)といいます。
通常の空気では、湿度のある湿り空気なので、
H = Cpa t + x (Cpw t + Hwe)
H 比エンタルピー (J/kg)
Hwe 0度での水蒸気の比エンタルピー (J/kg)
t 温度 (°C)
x 絶対湿度 (kg/kg)
として計算するようです。(この時点で近似式です)
参考文献 †
IAPWS Industrial Formulation 1997 for the Thermodynamic Properties of Water and Steam
一般気象学 第2版 小倉義光 ISBN4-13-062706-6